1Yottanレシピ

1Yottan のレシピ、キッチンまわりから空の彼方まで。。思いつくままに。

駿河湾を渡る。羽衣の話。

 

 

 

白い雲の上に、どうにか富士山の頭をさがしあてた。

雲よりずっと角張っているから、

あれがきっと、富士山の頭に違いない

と思う。。。

 

でも、すぐに白い雪を冠った富士は、白い雲にまぎれてしまう。

 

繰り返し、角張った富士山の頭をさがしながら

フェリーで、土肥から駿河湾を渡って清水へ行った。

 

 

 

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    三保に、白龍(はくりょう)という名の漁師がいました。

    白龍は、三保の松原で釣りをしていました。

    それは、海原に浮かぶ富士が美しい、春の日のことでした。

 

    どこからか、とてもよい香りがただよってきました。

 

    香りに誘われて行ってみると、

    松の木に、見た事もないほど美しい布が掛かっていました。

  

    「なんてキレイなんだろう。。」   

    白龍は、持って帰って宝ものにしようと思いました。

 

    白龍が布を手にして、ふと見ると  

    木陰に、美しい女の人が立っていました。

    「それは、羽衣と言って、貴方には必要のない物ですが、

    私には大切なものです。

    天女の私は、それが無いと天に帰れません。

    どうか、返してください。」

    と、女の人は言いました。

 

    白龍は、悲しそうな女の人の顔を見て

    その美しい布、羽衣を返そうと思いました。

 

    「返します。そのかわりに。。。

    かわりと言ってはなんですが、

    天女の舞いを舞って見せてくださいませんか?」

    と、白龍は言いました。

 

    その女の人、天女はとても喜んで、

    舞う約束をしました。

    「羽衣が無いと舞うことができません。

    まず、羽衣を返してください。」

    と、天女は言いました。

 

 

    羽衣を返したら、

    天女は舞いを舞わずに、帰ってしまうのではないか。。。

    と、白龍は思いました。

 

 

    「偽りは、人間の世界のこと。

    天上の世界にはございません。。。

    疑いも、天上界にはありません。」

    と、天女は言いました。

 

 

 

    白龍は、羽衣を天女に返しました。

 

 

 

    羽衣を受け取った天女は、舞い始めました。

    すると、どこからともなく笛や鼓の音が聞こえてきて

    いっしょに、よい香りもただよってきました。

    

    天女は、まとった羽衣を優雅に揺らし

    舞いながらフワリフワリと天に上り

    富士の高嶺の霞にまぎれてゆきました。。。

    とさ。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜三保松原の羽衣伝説より〜〜〜  

 

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海越しの富士を撮ろうと思っていたのだけれど、

今日の富士は、写真では無理。。。

 

 

 

今日、天城は雪景色だったみたい。

けれど、駿河湾は穏やかだった。

 

 

土肥港から、清水港まで65分。

ずっと右手に富士、清水が近くなった頃に左手に三保松原が見えてきた。

 

 

船から観る三保の松原は、少し霞んで、春のようだった。

 

 

 

天女が舞っていそう。。。か?

 

 

 

 

 

静岡の夜は更けてゆく。。。

久々に、旅の宿。

 

しかし、白龍はよかったね。

天女の舞いが見られて、よかったなぁ〜☆

 

 

では、また〜☆